愛∞無限大!
高知県佐川町のトマト農家、織田トマトの織田です。
秋になるとどこからともなく香ってくる
金木犀の甘い香り。
この香りを嗅ぐと「秋だなぁ」としみじみ感じます。
この金木犀は『らんまん』のモデルとなった
佐川町出身の植物学者、牧野富太郎氏の命名です。
佐川町の我が家でも10月上旬頃から金木犀が香りはじめ、
トマトハウスでも作業中にふんわりと香るあの甘い香りに
ホッとしたり、華やいだり。
随分と楽しませてもらいました。
この金木犀ですが、モクセイ科の常緑小高木で
1年に約1週間だけこのような強く甘い香りを放つそうです。
私は金木犀の香りを嗅ぐとふと思い出すのが
中学時代から高校時代。
というのも、当時愛読していた山田詠美さんの著書
『放課後の音符(キイノート)』の中で金木犀に関する
記述が出てくるんです。
その時から、金木犀=切なく甘い恋の香り
というイメージが私の中に刻まれました。
だから、金木犀の香りを嗅ぐと
思春期の愛や恋に関する切なくて甘酸っぱくて
嬉しくて涙が出るような
そんな物語が詰まったこの本を何度も読んでは
胸躍らせた青春時代が懐かしく思い出されます。
五感のうち、嗅覚は人が最も早く習得する感覚
と言われます。
そして、視覚、聴覚、触覚、味覚とは違い
嗅覚は唯一、大脳辺縁系に働きかけます。
大脳辺縁系とは記憶や感情をつかさどる脳の部位。
だからこそ、匂いを嗅ぐと記憶が蘇ったり
感情が呼び起こされるんです。
そして、大脳辺縁系は食欲もつかさどってるんですよ。
織田トマトのトマトハウス周辺には
佐川町の特産品のひとつであるニラのハウスが
沢山あるんですが
ニラの匂いを嗅ぐと本当に食欲が湧いてきます(笑)
それに、トマトだって人へ働き掛ける香りのパワーは
抜群にあります。
生トマト苦手な妻の私は料理中にトマトを
カットした時の青臭い匂いは苦手ですが
フルーツトマトの甘く華やかな香りは
何故か大好き!
そして、トマト料理の匂いも大好きです!!
織田トマトでは12月頃から実が付き始めますが
1月を過ぎるとトマトハウスの中が
何とも言えない甘い香りで満ち満ちます。
これがめちゃくちゃ気分が上がるんです。
でも、ただ甘いだけじゃない。
葉や茎の青々とした香りもあったり
土の円熟味を感じる匂いもある。
今年の夏の世界的な香りのトレンドとして
トマトの香りが大人気だとUS版ELLEが報じていましたが
トマトとは一口に言ってもいろんな匂いがあります。
それはフレッシュだったり甘く懐かしかったり
謎めいていたり、青々としたものだったり。
トマトの皮や果肉、葉や茎、ヘタなど
いろんなトマトの部位がそれぞれに表現している。
そして、トマトは私たちの暮らしの中で
とても身近なものだからこそ
私たちが思う以上にいろんな出来事と結びついて
私たちの記憶や感情が思い起こされる。
だからこそ、嬉しかったり、喜びだったり
笑顔溢れる記憶や感情と結びつくような
そんなトマトをみなさまにお届けしたい。
私たちはそう思いながら日々トマトたちと接しています。
今日もまごころこめて。